■Short Story 『彼方の4年目のバレンタインデイ』
【←3】
|<4>
|
|
|別に、何かを期待しているわけじゃない。
|私はちゃんと自分の立場を理解しているつもり。
|
|でも、確かに夏奈のいうというりかもしれない。
|三年間、渡せなかったこの想いを
|閉じこめようとしてしまうのではなく、
|成就させてあげようとするべきかもしれないと。
|
|そういう意味なら。
|そういう意味なら、必要なのかな…。
|
|今年のチョコは
|去年までとは違うチョコだけど、
|このチョコを渡せることで
|三年間の渡せなかった想いを果たす。
|そのことで、あの人とのことを思い出にする。
|
|…………。
|なんだか、自分のことばっかり。
|
|ほんと、私はいつも私のことばかっりだ。
|ごめんなさい。
|でも、これで本当にそうできそうだから。
|最後のお願い、聞いてくれるかな。
|
|4年目してやっと渡せるかもしれないチョコ。
|そしてこれで最後にするあの人へのバレンタインデイ。
|
|<END>
|