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■「こころのアリカ」のSS


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4.

しばらく二人は今日の授業のことや学校行事などの話をしていると一階から声が聞こえた。
「兄さ〜ん。私、今からお父さんの所に行ってくるから〜」
「ああ、わかった〜」
一般家庭のなかで自然この会話だが、
この家でその自然な会話に溶けこめむことのできない人間がいた。
言うまでもなく彼女である。
(もしかして・・・もしかして、夏目君と二人きり!?)
無論、今までも神社などで二人きりになっていることがよくあった。
だが、ありかは普段二人きりであることを意識していなかったため今回、えらく動揺しているのである。
「えっと・・・それじゃ私かえ・・・ったほうがいいのかな・・・?」
立ち上がってから不安そうに尋ねる。
「いや、たいしたもてなしもできないけど・・・無理に帰ってもらう必要もないし・・・」
「あ・・・うん。じゃあ、いる。」
なんとなく話しにくい雰囲気が流れ、互いに喋ることをやめた。

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